伊藤浩一のWindows Phone応援団(旧W-ZERO3応援団)
■[W-ZERO3応援コラム]W-ZERO3発売一周年に想う
ウィルコムのWindows MobileスマートフォンW-ZERO3が発売して、丁度、一年になります。この一年、いろいろなことがありました。想うところがありますので、ちょっと書かせていただきます。
昨年、2005年当初は、PDAにとっては危機的状況でした。PDA市場がどんどん縮小する中、ソニーCLIEの撤退、シャープZaurusの後継機種が続かず、Windows Mobileでの日本メーカーの日本コンシューマー市場から撤退。何一つ良い状況のない中、モバイルユーザー達は、既存の機種を大事に使い続けていくか、海外の端末を日本語化して使っていく、という選択肢のみ残されている状況でした。どちらにしても敷居の高い使い方なため、市場が拡大する可能性がなくなっていました。
PDAが日本市場で縮小した原因はいくつかあると思います。ノートパソコンの低価格化、軽量化。高機能携帯電話のインセンティブによる市場価格の暴落。電子辞書、MP3プレーヤーなどモバイル専用機器の充実。また、PDA機能を十分に使いこなせるだけの環境、ノウハウを市場に浸透できなかったメーカーにも責任はあるとは思います。時代は、PDAを必要としていないのではないか、とさえ思えました。
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しかし、少なくても私にはPDAは必要でした。いつでもどこでも、持ち歩ける簡便さ。ネットに常時接続に近い環境が構築。PIMデータに素早くアクセス。マルチメディア機能も搭載。自分の使いやすいUIにカスタマイズ。アプリケーション選択の自由度。どの項目も、ノートパソコン、携帯電話、モバイル専用機、どれにも置き換えることのできないものです。
日本の厳しい状況の中、海外ではPDAが違うスタイルで生き残っていました。スマートフォンです。携帯電話と融合することで、高機能携帯電話、スマートフォンやコミュニケーターとして、現役で活躍していたのです。小さな市場ながらも、高機能、高価格なモデルが続々とリリースされていきます。日本のモバイルユーザー達は、この海外スマートフォンを何とか、日本語で使いたい、そう思い、それぞれ日々苦闘しながら使い続けていたのです。
その厳しい日本のモバイル状況の中、突如、登場したW-ZERO3。海外スマートフォンを安易に持ってきた訳ではありません。シャープ製オリジナル筐体に、ウィルコムというPHSサービスとの融合、W-SIMという新しいコンセプト、さらに、Windows Mobileアプリケーションのインストールにロックをかけずにカスタマイズフリーとして、リリースしたのです。
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モバイルを使い続けてきたユーザーにとっては、画期的な端末でした。新しいPDAが出るだけで嬉しいのに、さらに、携帯電話と融合してスマートフォンとして登場したのです。携帯電話と融合することは、モバイルユーザーにとっては一つの夢でした。通信カードなどで苦労しながら通信しつつ、通話ができないPDAは、結局、携帯電話を併用せざるを得ず、PDA市場が携帯電話市場に押されてしまった原因の一つでもあったからです。
W-ZERO3の発売、Windows Mobileスマートフォンの登場で、私は狂喜乱舞しました。しかし、喜びも束の間、心配な思いもよぎりました。PDA市場が縮小したように、W-ZERO3が万が一、失敗した場合、日本市場でのWindows Mobileスマートフォンの将来の道がなくなってしまうのではないか。そう思ったのです。こんなに便利で楽しいスマートフォンが失敗してしまって、また同じように撤退してしまうのではないか。私は危惧しました。そこで、私はW-ZERO3を応援し始めました。日本のスマートフォン市場の未来を夢見て、応援し始めました。個人ユーザーが応援してもたかがしれていますが、応援したい、という気持ちだけでブログを始めてしまったのです。
W-ZERO3は、結果的には成功しました。キャリア、メーカーの思惑の法人市場とは全く違った、コンシューマー市場で大ブレイクしたのです。
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このブレイクの要因はいろいろありますが、私は、モバイルユーザーの存在が大きかったと考えています。もちろん、端末のポテンシャルの高さ、ウィルコムのサービスの充実など、端末自体の魅力が高いのがW-ZERO3です。しかし、それ以上に、日本のモバイルユーザーの存在が大きかったと思っています。厳しい状況の中、ずっとモバイルを使い続けてきたユーザーがいます。日本語端末のない中、海外端末を苦労して入手し、日本語化に向けて苦労してきたユーザー達。また、日本メーカーが続々と撤退する中、旧機種をずっと使い続けてきたユーザー達。
そのユーザー達のノウハウが一気にW-ZERO3に生かされました。そのままでは、なかなか使いこなすのが大変なスマートフォンを、自分なりに使いやすい形にカスタマイズするノウハウは、メーカーが提供したものではなく、モバイルユーザー一人一人が何年もかけて蓄積したものなのです。アプリケーションに関しても同じです。モバイル端末のアプリケーションの提供をしてきたフリーウェア作家達の努力によって、W-ZERO3は日々進化し続けてきたのです。また、ウィルコム端末ということで、京ぽんとは違う端末ながらも、応援して支えてくれたウィルコムユーザー達がいます。
書籍「W-ZERO3パワーナビゲーター」の著作に参加してくれたモバイルユーザー達、kzouさん、モバチキさん、山田道夫さん、aviさん、tkさん、clubmanさん、井上真花さん、kei_1さん、memn0ckさん、ほーみんさん。海外スマートフォンをアクティブに使い続ける亜洲モバイル人柱隊のみなさま(アクセスバスターさん、TJさん、YKKさん)、Asukalさん、山根さん。PalmユーザーながらWM端末へのアプローチもしてくれた右脳さん、Upupさん。アプリケーション開発を続けているKOTETUさん、Gzhさん。モバイル周辺機器を支えているpocketgamesさん。すいません、全員の名前が書ききれません。本当に沢山のユーザー達のおかげで、W-ZERO3成功の助けがあったと私は思っています。
この一年で、Windows Mobileスマートフォン市場は一変しました。W-ZERO3後継機種W-ZERO3[es]の発売、ドコモhTc Zの限定発売、ソフトバンクX01HTの発売。日本で発売されるWindows Mobileスマートフォンが一台もなかった2005年当初を考えると、まだ十分とは言えないものの、実機が店頭に並んで、普通に店頭で買える。そんな状況だけで、私にとっては夢のようなのです。
Windows Mobileスマートフォンを使い出したきっかけはユーザーにとって、様々だと思います。しかし、まだ動き始めたばかりのWindows Mobileスマートフォンにとって、1人でも多くのユーザーが端末に触れることが、とても大事です。そして、その魅力を少しでも感じていただければ、それで十分だと思っています。
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